2018年にカジノ法案が成立してから、日本初のIRを開業しようと、政府や自治体が動き始めています。
日本はまず最大3か所にカジノを開業する計画で、大阪市と長崎県が「IR区域整備計画」を提出しています。このうち、大阪市は国からの認可を受けて準備を進めており、長崎県は国からの審査結果を待っている状態です。
この記事では、現在IR計画を進めている自治体や、これからIR開業の可能性がある自治体について、最新情報を紹介していきます。IR誘致を中止した候補地もまとめて取り上げるので、気になる方は是非参考にしてください。
日本でカジノができる場所はどこ?【2024年最新版】
日本初のIR誘致を希望する自治体は、2022年4月28日までに「IR区域整備計画」を国に提出しています。
冒頭でも述べた通り、最終的にIR区域整備計画を提出したのは大阪市・長崎県で、2023年4月14日に大阪市の整備計画が政府から認定を受けました。それを受けて、大阪市は2029年にIRを開業しようと準備を進めています。
一方、ギャンブル依存症への対策や、交通インフラの整備、地盤強化などの課題は山積みで、スケジュールに遅れが出ているのも事実です。その間に長崎県が国の認可を受け、大阪市の準備に追いつく可能性もあります。
また、政府側にもカジノを安全に運営するための規制や、オンラインカジノを認めるかどうかなど、やるべきことはたくさんあります。
大阪市「夢洲」
大阪市は、カジノ法案が制定された時からIR候補地として立候補していた自治体の一つです。
2025年には大阪万博も控えており、当初は大阪万博とIRを同時開業することで爆発的な経済効果を見込んでいました。しかし、新型コロナウイルスの影響を受け、現在は2029年にIRを開業するスケジュールへと変更しています。
また、大阪IRへ参入しようと名乗りを上げていた7業者のうち、6業者が横浜への参入に転向し、最終的にMGMリゾーツ・オリックスの合同チームである「MGM・オリックスコンソーシアム」を事業者として選定しました。
今後は、「大阪IR株式会社」として運営事業を行い、大阪の文化や伝統・精神とカジノが生み出す人や産業を融合した「結びの水都」を開発する予定です。
大阪市の「夢洲」は、2023年4月にIR整備計画の認定を受けていますが、現段階で分かっている強み・弱みは以下の通りです。
強み | 弱み |
---|---|
関西国際空港があり、海外からのアクセスも良い 夢洲の広い土地を活用できる | 夢洲の地盤に不安が残る 大規模な交通インフラ整備が必要 |
特に夢洲の地盤は大きな課題となっており、「大阪市が土壌対策費用を負担するのは違法」だと主張する反対派の議員が住民監査請求を起こしています。また、住民による反対運動も起きています。
一方、知事は「IRを誘致する都市として開業できる環境を提供することが責務」としており、まさに意見が2つに割れた状態です。大規模な予算が必要となる土壌対策問題が解決できなければ、大阪市のIR開業は遅れそうです。
また、人工島である夢洲へは橋とトンネルで往来できますが、現時点では車でしか通行できず、徒歩で夢洲へ渡ることはできません。こちらは万博開催に備えて解決される予定なので、そこまで心配する必要はないでしょう。
長崎県・佐世保市「ハウステンボス」
長崎県は、人口・雇用の減少や、財源不足を解決するために、早い段階でIR誘致地として立候補していました。
九州はもともと世界遺産・温泉地が充実しており、観光地としてのポテンシャルが高い地域です。IR誘致に成功すれば、地域産業の活性化や雇用創出効果を期待できるのはもちろん、九州全体に集客を見込めるでしょう。
長崎県の佐世保市は、世界35カ国のカジノ経営を担う「カジノオーストリア・インターナショナル」を運営業者に選定し、ハウステンボスの広大な敷地を使って、ヨーロッパ風のカジノを目指しています。
しかし、2024年現在は「IR区域整備計画」の審査が行われている最中で、長崎県でカジノができるのは最短でも2027年くらいになると言われています。そんな長崎県のIR誘致における強み・弱みは以下の通りです。
強み | デメリット |
---|---|
中国・韓国などのアジア地域からのアクセスが良い 長崎県以外の九州の各県がカジノ誘致に協力している | 資金調達先の経営不安 |
「オール九州」として、長崎県以外の九州の各県がカジノ誘致に協力しているのは長崎の強みとなっています。
実際、九州地方にある都道府県が一丸となって長崎IRを後押ししており、九州7県+山口県+沖縄県知事と経済団体代表者からなる「九州地域戦略会議」は、ギャンブル依存症対策や観光人材の育成を積極的に行っています。
また、台湾や香港といったアジアの都市からのアクセスが良いものの、マカオやシンガポールといった競合がいるので、「競争に打ち勝って観光客を呼べるようになるか」という点も懸念されています。
長崎県・佐世保市にあるハウステンボスの場所は?
IR誘致を狙っているハウステンボスは、オランダの街並みを再現した大型テーマパークです。総敷地面積は東京ディズニーリゾートの約1.5倍にもなり、日本一広いテーマパークとしても知られています。
一時期は経営不振に陥りましたが、2010年以降経営体制を変えてからは多くの観光客が訪れる人気の観光地として復活しました。しかし、新型コロナウイルスの影響で、再び経営が厳しくなっている現状もあります。
長崎IRが認められた場合、ハウステンボスの立て直しも兼ねて、西側の31ヘクタールをIRに利用する計画になっています。そうすると、1年間で100~200万人の来場客増加を見込めると言われています。
また、ハウステンボスは博多や長崎市内からのアクセスに課題があることを受け、ハウステンボス駅にあるJR大村線に路面電車・モノレールを導入させようという動きもあります。
長崎県・佐世保市にIRができるのはいつ?
長崎県が国に提出している「IR区域整備計画」では、2027年秋ごろを開業時期としています。
しかし、IR事業の資金調達先である「クレディ・スイス」の経営不安が広がっており、2024年現在も審査が長引いています。
今後国から認可を受けたとしても、審査期間が延びた分、スケジュールを再検討する必要があるでしょう。
カジノオーストリア・インターナショナルとは?
先ほど紹介した、長崎県のIR誘致における選定業者「カジノオーストリア・インターナショナル」は、オーストリア政府が運営しているカジノ企業です。現在、世界35ヶ国の300ヶ所以上でカジノ施設やロト、宝くじ運営をしています。
国営企業なので信頼性が保障されているのはもちろん、世界中のカジノグループの中で唯一、「贈収賄防止マネジメントシステム」の世界標準規格を取得&「国際ゲーミング賞」を複数回受賞しているといった実績も豊富です。
また、オランダのカジノ開業に関わった経験もあり、ハウステンボスとの相性も良いとされています。IR誘致が成功した場合、ホテルヨーロッパやパレスハウステンボスを改修しつつ、活用する狙いのようです。
IR(カジノ)誘致を中止・撤退した候補地
カジノ誘致都市の最終選考は3都市までですが、もともとIR誘致に立候補していたものの、最終的に撤退を決めた都市もあります。
どの自治体も撤退するにあたり、さまざまな事情があったと思われますが、将来的に再チャレンジする予定の候補地もあるようです。
ここでは、断念した理由とともに、今後誘致に立候補する可能性が高い候補地を、今回断念した理由とともに紹介します。
和歌山市「和歌山マリーナシティ」
和歌山県は白浜や串本といった海が自慢の観光地が多数あり、リゾート施設の誘致にもピッタリです。
実際、他の自治体よりもいち早くIR誘致を目指し、和歌山市の和歌浦湾上に浮かぶ「マリーナシティ」を候補地としていましたが、2022年4月の県議会において「IR区域整備計画」が否決されたことを受けて徹底しました。
市議会では賛成多数で進んでいたものの、県議会において「約4700億円もの初期投資額の調達先・計画が不透明」だと指摘されたことが撤退の大きな原因となったようです。
これを受け、知事は「他の方法で和歌山県の衰退を乗り越える責任があると考えている」と述べた一方で、「IR誘致自体は賛成だった県議員も少なくなかったため、IRを諦める必要はない」と前向きな姿勢も見せています。
和歌山県のIR誘致に参入業者予定だった「クレアベスト・ニームベンチャーズ」はeスポーツやゲーミング部門なので、今後再チャレンジして認可を受けた場合、全く新しい新時代のカジノスタイルを楽しめるかもしれません。
マリーナシティも大阪の夢洲と同じ人工島ですが、車でも徒歩でも船でもあらゆる交通手段でアクセス可能のため、今後のIR誘致に期待できるでしょう。
横浜市「山下ふ頭」
横浜のカジノ誘致の立候補は早く、当初は有力な候補地の一つでした。
前市長である林文子氏を中心として進められてきたカジノ誘致ですが、反対派も多く、地元で力を持つ横浜港ハーバーリゾート協会・横浜港運協会などの団体が反対を表明しました。
2021年の知事選挙では、カジノ誘致反対を掲げる山中氏が当選し、2021年9月に撤退を正式に表明しています。
それを受け、提案審査の最中だった「ゲンティン・シンガポールとセガサミーホールディングス」「メルコリゾーツ&エンターテインメント」も参加中止を発表、2021年10月にはIR推進室も廃止されました。
カジノ誘致によって山下ふ頭周辺の活性化が期待されていましたが、山中氏は「カジノ抜きでも山下ふ頭は活性化できる」と唱え、新たな政策を打ち出すようです。
この政策が上手くいくかどうかによって、今後のカジノ候補地としての立候補が決まるでしょう。
北海道「苫小牧市・留寿都村」
北海道にあるいくつかの自治体がカジノ誘致の立候補に名乗りをあげ、各候補地が協力して「北海道IR推進連携協議会」を発足する動きも見られました。
しかし、鈴木知事は環境アセスメントの結果から、「IR誘致が環境に大きな影響を及ぼす」と慎重な姿勢を見せていました。2021年3月、コロナウイルス感染拡大で事業者が経営悪化したことをきっかけに、誘致申請を正式に見送っています。
とはいえ、北海道はIRに再チャレンジするとの声明も発表しており、2020年代後半の誘致区域数の再検討に意欲的です。
苫小牧市
苫小牧市は新千歳空港とのアクセスが抜群な強みを活かし、国際リゾート構想の一環としてカジノ誘致に乗り出していました。
予定地は新千歳空港に近い植苗地区の民有地で、森林や湖などの壮大な自然に囲まれた「自然共生型IR」をコンセプトとしていましたが、希少野生動物の生息が明らかとなり、誘致を見送っています。
しかし、人口流出が大きな問題となっている苫小牧市にとって、IR誘致による産業の雇用創生はとても重要な要素となります。そのため、今後市民の理解が得られた場合、再びカジノ候補地として手を挙げる可能性があります。
留寿都(ルスツ)
ルスツ村は国際スキー場として有名な観光地で、外国人観光客がスキーに訪れることも多く、国際リゾート都市としての経験が高いことを強みとしていました。
ルスツ村のIR計画は「医療施設、学校、商業及び小売地区、多世帯の住居、さらには観光及び娯楽施設が、環境にやさしい方法であること」に基づいて作られています。
このように、観光だけでなく、総合的な都市計画としてカジノ誘致が期待されていたものの、北海道側がIR誘致計画を一度白紙に戻したことで、現在は立候補中断という形になっています。
また、ルスツ村への誘致では当時のIR担当内閣副大臣だった秋元司衆院議員が中国側からリベートをもらっていたり、IR事業計画に携わっていた加森観光の会長が収賄罪で在宅起訴されたりと、マイナスイメージが付いたことも大きな障壁となりました。
観光が主な収入源となっている北海道にとって、コロナ渦での経済状態の悪化は特に深刻です。経済状態を復活させるためにも、次の選定で新たな候補地として手を挙げる可能性は非常に高いでしょう。
千葉市「幕張」
千葉市がカジノ立候補地としたのは、イオンやシャープ、セイコーなど巨大企業が本社を置く幕張の新都心です。
幕張メッセを代表とした国際コンベンションセンターや、アウトレットパーク、大型ショッピングモールがある幕張は、成田国際空港への利便性も高く、首都圏のカジノ候補地として有力候補に挙げられていました。
しかし、2019年の台風15号の被災を受け、「復興を第一に進めるためには、カジノ開業への予算配分が間に合わない(=国から提示された申請期間にも間に合わない)」ことを理由に、カジノ誘致を断念しています。
しかし、幕張新都心は首都圏の経済活性化には欠かせない存在なので、今後、災害復興が無事に終わって、新たな計画を立ててから再度カジノ誘致に乗り出す可能性は非常に高いと言えるでしょう。
IR(カジノ)候補地!誘致表明状況を紹介
現在、IR候補地として立候補している2都市と、断念した都市を4都市紹介しました。
日本初IRの候補地として認可されるのは3都市ですが、2020年代後半には区域認定見直しがあり、そこで新たな立候補地として名乗りを上げるであろう都市もいくつか存在します。
ここでは、日本全国の誘致表明状況をまとめていきます。
東京都「台場」
1999年当時の東京都知事だった石原慎太郎氏は、お台場へのカジノ誘致構想を立ち上げ、積極的に進めてきました。
実際、これを受けてIR法案について議論されるようになったため、東京都は日本でカジノを解禁するきっかけになっており、お台場はIR誘致の有力候補だと言えるでしょう。
石原知事から小池知事に交代した後は、「台場にカジノを誘致することのメリットとデメリットについて判断してから立候補を決める」といった慎重路線に転換しました。
それでも2021年の都予算にIR調査費として1000万円を計上しており、少しずつ立候補への足場固めは進んでいたものの、コロナウイルスの影響を受け、コロナ対策を優先するために誘致計画は一旦休止という形になっています。
そんなお台場の強み・弱みは以下の通りです。
強み | 弱み |
---|---|
国内外からのアクセスが良い 大型の施設を有効活用できる | 新型コロナウイルスの影響が大きい 都議会内で反対意見が多い |
候補地となるお台場周辺の湾岸エリアには、2021年の東京オリンピックで使用するために立てられた大型の施設が数多く存在し、カジノ開業によってこれらの施設を有効利用すると、東京都の財源安定化が見込めると言われています。
また、お台場ならモノレールや地下鉄、徒歩、自家用車など様々な手段でアクセスすることが可能なので、大規模なインフラ整備をする必要はないでしょう。
その一方で、都議会での反対意見が多かったり、治安悪化などを懸念する住民からの声もあったりと、今後の対策や東京都の財源を安定化させる方法など、議論の行方が立候補地となるかどうかを左右することになります。
2021年までは緊急事態宣言の発令や、まんえん防止対策法案などの対応でコロナ渦対策に追われていましたが、2024年現在はコロナの影響が落ち着いているため、カジノ立候補地としての計画が推し進められることを期待しましょう。
愛知県・常滑市「中部国際空港島」
愛知県の知多半島にある常滑市は、日本六古窯の一つに数えられる「常滑焼」を産地として知られています。
人口は6万人程度とそれほど大規模な都市ではありませんが、伊勢湾上の人工島に作られた中部国際空港(セントレア)は、アジア諸国への航空便以外にも、ハワイやヨーロッパ主要都市との空路が開設されています。
このように、小さな都市ながら国際都市としての機能は十分に備えており、中部日本への入り口として非常に重要な役割を果たしている場所であることから、IRの候補地となりました。
また、愛知県では「あいち・とこなめスーパーシティ構想」を立ち上げており、常滑市のさらなる国際化を図るという考えがあります。IR誘致はこの構想と合致しているので、カジノ開業にはぴったりな都市と考えられています。
そんな中部国際空港島の強み・弱みは以下の通りです。
強み | 弱み |
---|---|
居住者が少なく、治安に対する懸念も少ない 既に国際会議場や交通網が整備されている | 名古屋市と競合している |
常滑市の強みとして挙げられるのは、先に挙げた中部国際空港の存在による利便性の高さと、既に国際都市としての機能を備えていることが挙げられます。
また、開業予定地は人工島で、一般の住宅地から隔離されているため、治安悪化に対する懸念が少ないこともポイントとなっています。
一方、愛知県内には常滑市のほかに名古屋市も候補地として立候補の予定があるので、愛知県からの支援が二分される可能性もあります。
カジノ誘致については、都市の力だけではなく、県や隣県などのバックアップがなければ厳しいとされているので、愛知県としては候補地を一本化することが求められています。
名古屋市「金城ふ頭」
愛知県名古屋市港区にある「金城ふ頭」周辺には、名古屋国際会議場(ポートメッセなごや)が開業し、総展示面積約3万4000平方メートルの中にあるコンベンションセンターや展示場、会議場は全国でも有数の規模を誇ります。
また、名古屋市国際水族館やリニア博物館、レゴランドなどの観光施設も充実しており、金城ふ頭は「国際都市としての条件」と「観光都市としての条件」の両方を併せ持つ都市として知られています。
しかし、河村名古屋市長が「ナガシマスパーランド周辺もIR都市として整備したい」と発言し、IR誘致の方針を打ち出していない三重県桑名市から「三重県のIR誘致に対して口を出すのは越権行為である」との抗議を受けました。
政府からも「県外の自治体が他県の誘致に対して越境することはあり得ない」とのコメントが出され、名古屋市の立候補準備は難航し、最初の立候補に間に合いませんでした。
そんな金城ふ頭の強み・弱みは以下の通りです。
強み | 弱み |
---|---|
居住者が少なく、治安に対する懸念が少ない 名古屋市内にある繁華街エリアからアクセスしやすい | 自治体として足並みが揃っていない |
カジノ誘致にあたり、金城ふ頭は住宅地から離れているため、治安悪化の不安が少ないという強みがあります。これは、同県の立候補地である常滑市と同じく、ふ頭に開業することで一般の住宅地に影響を及ぼす心配がありません。
また、繁華街からのアクセスの利便性が高いのもポイントの一つです。名古屋有数の繁華街「栄」からもすぐに訪れることができ、カジノが開業されたら名古屋市の経済発展に大きな役割を果たすことも期待されています。
一方、愛知県では、先に挙げた常滑市もIR誘致都市として立候補しているので、県からのバックアップが一本化されていません。自治体同士の協力体制がうまくいっていないことを解決しなければ、立候補に至らないでしょう。
名古屋市の河村市長は「誘致に関しては、愛知県とは強力せずに名古屋市独自で進めていく」と表明していますが、名古屋市の力だけで誘致までこぎつけるのは非常に困難だと言われています。
名古屋市が立候補地となるためには、愛知県との話し合いを行い、協力体制を整えることが必須となります。また、常滑市との協議を行い、カジノ候補地を一都市に絞ることも必要なので、今後の話し合いに注目しましょう。
カジノ日本の候補地【47都道府県のIR誘致の表明状況】
ここでは、47都道府県のIRへの意向・状況を一覧で掲載します。
都道府県 | 状況 | 備考 |
---|---|---|
北海道 | 撤退 | 苫小牧・留寿都ともに次回誘致に前向き |
青森県 | 表明なし | – |
岩手県 | 表明なし | 民間事業者が宮城・福島と合同連合を設立したが、その後の動きが見られない |
山形県 | 表明なし | – |
宮城県 | 検討 | 誘致検討にあたって県が調査を行い、採算性などの事情で見送り |
秋田県 | 表明なし | 商工会議所などの民間団体が誘致を推進したものの、県としての意向なし |
福島県 | 表明なし | 民間事業者が宮城・福島と合同連合を設立したが、その後の動きが見られない |
東京都 | 休止中 | 新型コロナウイルス対策を優先し、検討作業がストップ |
神奈川県 | 撤退 | 横浜市への誘致計画を撤退 |
埼玉県 | 表明なし | – |
千葉県 | 撤退 | 自然災害の復興作業を優先し、撤退 |
茨城県 | 表明なし | – |
栃木県 | 表明なし | – |
群馬県 | 表明なし | – |
新潟県 | 表明なし | – |
富山県 | 表明なし | – |
石川県 | 表明なし | – |
福井県 | 表明なし | 経済同友会が越前市に提案したものの、その後の動きが見られない |
山梨県 | 表明なし | – |
長野県 | 表明なし | – |
岐阜県 | 表明なし | – |
静岡県 | 表明なし | 牧之原市が検討していたものの、県の協力を得られず中止 |
愛知県 | 検討中 | 愛知県と名古屋市の連携が取れておらず、検討中 |
大阪府 | 進行中 | 2029年開業を目指して夢洲での建設計画を進めている |
京都府 | 表明なし | – |
兵庫県 | 表明なし | – |
奈良県 | 表明なし | – |
三重県 | 表明なし | 桑名市がIR関連の調査を県に求めたものの、その後の動きが見られない |
滋賀県 | 表明なし | – |
和歌山県 | 撤退 | 県議会での否決を受けて撤退 |
鳥取県 | 表明なし | – |
島根県 | 表明なし | – |
広島県 | 表明なし | – |
岡山県 | 表明なし | – |
山口県 | 表明なし | – |
徳島県 | 表明なし | 民間団体や商工会議所が誘致を提案したが、その後の動きが見られない |
香川県 | 表明なし | – |
愛媛県 | 表明なし | – |
高知県 | 表明なし | – |
福岡県 | 表明なし | 青年会議所が福岡市へ誘致を提案したが、その後の動きが見られない |
佐賀県 | 表明なし | – |
長崎県 | 進行中 | IR区域整備計画の審査中 |
佐賀県 | 表明なし | – |
熊本県 | 表明なし | – |
大分県 | 表明なし | – |
宮崎県 | 表明なし | セガサミーと協力して誘致に取り組んでいたものの、知事が「実現性は低い」と判断 |
鹿児島県 | 表明なし | – |
沖縄県 | 表明なし | 知事交代のタイミングで誘致検討を撤回 |
IR(カジノ)候補地が決まるまでの流れ
実際にIR候補地が決定して日本にカジノができるまでの流れについて、順を追って解説します。
1. IR推進法の成立(2016年成立)
IR推進法は、今後日本で開業するカジノを含めたリゾートの運営指針や方向性を定めた法律です。
この法律に従って各自治体は運営業者を選定して、カジノ候補地としての立候補を行います。
候補地として最初に立候補したのは大阪や横浜などの10都市でした。
2. IR推進本部の設置(2017年設置)
正式名称は「特定複合観光施設区域整備推進本部」です。
IR推進法に基づいて運営や今後の法整備、開業までの流れを取り決める組織になります。
2017年に菅義偉総理大臣が本部長となって設置され、本部長は現任の総理大臣に引き継がれるため、現在は岸田総理大臣に変わっています。
IR推進本部で指針を作成した後に国会に送られ、法案として審議されます。
3. IR実施法の成立(2018年成立)
先に成立したIR推進法は、カジノ候補地の選定や開業までの運用方法について定めたものです。
IR実施法は、特定複合観光施設区域の認定、カジノ事業の免許、カジノ施設への入場制限、入場料、カジノ管理委員会の設置等、実際にカジノを運営していくための実務的な内容が定められている法律になります。
4. ギャンブル等依存症対策基本法成立(2018年)
カジノのマイナスイメージとして懸念されるのがギャンブル依存症患者の増加です。
日本でカジノを運営していくにあたって、ギャンブル依存症の予防・啓発や、医療・相談体制の整備、患者とその家族のケア、社会復帰の支援などが定められた法律になります。
ギャンブル依存症患者に対しての法律は今までの日本ではありませんでしたが、依存症対策として、今までは触れられることのなかったパチンコ遊戯に対して言及されていることでも話題となりました。
「カジノの開業=ギャンブル依存症患者の増加」という懸念事項はあるものの、法律を整備することで、今まで放置されていた依存症患者への対策が為されることは大きな前進となります。
5. カジノ倫理委員会の発足(2019年発足)
カジノ倫理委員会は実際にカジノを運営する際の、カジノ事業者の監督・カジノ事業免許の審査・カジノゲーム関連機器の監督などの実務的な業務を統括する組織です。
国会議員や民間の経営者などから選出され、総勢100人が委員として選ばれています。
マネーロンダリングの防止対策や、反社会勢力の排除についての対策も倫理委員会が請け負います。
6. 基本方針の策定(2020年成立)
実際に開業するためのベースとなる方針です。
国会議員のIR汚職事件を受け、事業者との面談の際は複数人で対応するということが追加されたり、コロナ渦の影響のため感染症対策についての項目も付け加えられたりしています。
当初は2020年の1月には基本方針を完成させる予定でしたが、コロナや汚職事件の影響で再審議する必要性が生じたため、方針の成立は2020年の12月と約1年遅れでのスタートとなっています。
7. 候補地の正式決定
日本政府がIR候補地を3都市選定します。
現在、立候補しているのは2都市(大阪市、長崎県)だけなので、最終的にはその2つで決まる可能性が高いです。
候補地として正式決定されてから、自治体がインフラの整備等を行う流れになります。
ここから開業まで、候補地では大幅な雇用の状況の改善が見込まれています。
実際に作業を行う建設業界のみならず、多数の作業員が携わることでの宿泊業、食品業などの経済効果は絶大です。
8. IR事業者の選定
政府から選ばれた2つの自治体は、実際にカジノ事業を運営する事業者を選定します。
正式に選定されるのはこの時期になりますが、実際は立候補した時にIR事業者からの提案による都市計画などをうち立てているので、ここで選定されるのはあくまでも形式的な形となります。
現在自治体と共に計画を練っている事業者は以下の通りです。
- 大阪市 MGM・オリックスコンソーシアム
- 長崎市 カジノオーストリア・インターナショナル
9. IR開発
自治体とIR事業者で作り上げたカジノ開発計画に基づいて、ホテルやカジノ、ショッピングモールなどの大型施設の建設や、カジノへのアクセスのためのインフラ整備を行います。
立候補時にIR事業者が提案したプラン通りのイメージに、どれだけ近づけることができるかが重要になるでしょう。
10. 開業
施設やインフラの整備が完了したら、いよいよ日本のカジノの開業となります。
実際に開業してみなければ分かりませんが、全国で2都市しかないので、最初は大混雑することが考えられます。
日本でカジノができる場所はどこ?【まとめ】
日本でカジノ誘致の立候補をしている都市について紹介してきました。
日本初のカジノ候補地は最大3か所ですが、最終的にIR区域整備計画を提出したのは大阪市・長崎県の2か所のみです。2024年現在、大阪市は正式な認可を受けており、長崎県は国からの審査結果を待っています。
大阪は2029年のIR開業に向けて準備を進めているものの、現段階でも依存症対策や地盤問題の解決など、考えるべきことが山積みなので、スケジュールも若干遅れてきています。
「それまで待てない!」「カジノができる前に練習しておきたい」と言う人は、オンラインカジノで遊んでみることをおすすめします。実際のカジノと同じ内容で遊べるので、自宅や外出先で本場の雰囲気を先取りできますよ!
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